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- 素晴らしきかな、映画人生! | 映画をつくる人・みる人・でてくる人、それぞれの人生を探求中。大人のためのポップカルチャー評。
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- なんだかスゴイ映画だったゾ! 昨年『ブレードランナー2049』を発表したカナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のハリウッド進出作『プリズナーズ』。自分は同監督の『ボーダーライン』を観てから、すっかり注目してしまい、こうして遡って作品を観はじめてる。今のところハズレなしの監督さん。 『プリズナーズ』は上映時間が2時間半もある長尺なサスペンス・スリラー。この長さに観るまえかなり躊躇した。自分は長尺な映画はちとニガテ。集中力が切れたりトイレが気になってしまう。この忙しい世の中では、短めで質の高い作品を求めがち。しかしながらこの『プリズナーズ』、途中で休憩入れるどころか、先が気になって気になって、ストップボタンを押すことができない。映画は派手なことが起こるわけでもなく、じっくり間をとった静かな演出。なのにグイグイ引き込まれていく。 スリラーものはいくらでも雑につくれる題材。じっくりと計算された地味な演出で、ただの登場人物紹介の場面かと油断していると、のちのち重要な伏線が隠されていたりして、ニヤリとする。シリアスな緊張感ある雰囲気の中にも、クスッとさせるユーモアもある。タイトルの『プリズナーズ』と複数形なのも意味アリ。 主役のヒュー・ジャックマンとジェイク・ギンレイホールって、こんなに上手い役者さんだったんだと感心する。 撮影は美意識の高い映像づくりのロジャー・ディーキンス。コーエン兄弟やサム・メンデスなど、映像派の監督とよく組んでアカデミー賞も14回もノミネートされてる。先日発表されたアカデミー賞では『ブレードランナー2049』でやっとこさオスカーゲット! なんだか嬉しい。 音楽は今年の2月に急逝したヨハン・ヨハンソン。カメラマンと作曲家はヴィルヌーヴ作品の常連スタッフゆえに、ヨハンソンが亡くなったのは非常に残念。この布陣でこれからも多くの名作が生まれたかもしれない。 映画は感謝祭を祝う田舎町のご近所さんたちのパーティー場面から始まる。すると小さな娘たち2人が、忽然といなくなる。これが誘拐事件へと繋がっていくのだが、普通の生活の中から突然犯罪に巻き込まれていく空気感がリアル。これを熱量や勢いで描くのではなく、あくまで大人な、冷静で卓越した演技や映像技術でみせていく ...
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